ヘルスケア

自律神経を整える ─ 1分でできる呼吸法+簡単セルフチェック

作成日:2025年8月29日

はじめに

「検査では異常なし。でも体調がいまひとつ」— そんな時、原因のひとつとして挙がるのが自律神経の乱れです。自律神経は、活動モードの交感神経と、休息モードの副交感神経が協調して、心臓・消化器・血管など“意思では動かせない”臓器の働きを自動で調整しています。バランスが崩れると、動悸・睡眠の質の低下・頭痛・消化器不調など多彩な症状が出ることがあります。
本記事では、今日から試せる1分呼吸法と、ウェアラブルで見られるHRV(心拍変動)の活かし方を、最新の情報に沿ってわかりやすくまとめました。


1. 自律神経とは

・交感神経=アクセル:心拍・血圧・血糖を上げ、仕事や運動のパフォーマンスを支える。

・副交感神経=ブレーキ:休息・消化・睡眠を促し、回復を進める。

この2つが綱引きをしながら、体の状態を“自動調整”しています。

 

2.乱れサイン

検査ではわかりづらい一方で、次のような症状が続くことがあります。

・安静時でも動悸がする

・手足が冷える

・汗が頻繁に出る

・下痢や便秘をくり返す

・眠りが浅い/夜中に何度も目が覚める

・頭痛・頭重感が続く

 

3.セルフチェック:HRV(心拍変動)を“傾向”で見る

HRV(Heart Rate Variability=心拍変動)は、鼓動と鼓動の間隔のゆらぎを数値化した指標で、自律神経の働きと関係が深いとされます。医療用の診断ではありませんが、リラックス度合い・疲労の蓄積の目安として、同じ端末・同じ時間帯で推移を見るのがコツです。

Apple Watch は光学式心拍センサーで心拍を測定し、そのデータからHRV(歩行時平均等)も算出します。
参考値として活用し、絶対値ではなく“自分比の変化”を見ましょう。

 

4.1分で整える4-7-8呼吸(“長く吐く”がカギ)

ハーバード大卒の医師 Andrew Weil が普及させた呼吸法で、不安感の軽減や入眠サポートなどに用いられています。ポイントは、息を止める+長く吐く=副交感神経が働きやすいこと。

やり方(1サイクル)

  1. 4秒:鼻から静かに吸う

  2. 7秒:息を止める

  3. 8秒:口から細く長く吐く
    4回から始め、慣れたら最大8回。1日2〜3セット(就寝前・緊張前など)がおすすめ。
    ただし、めまい・息苦しさが出たら中止。

 

5.職場で“習慣化”するコツ

・会議の冒頭30秒:チームメンバーで4-7-8呼吸を1〜2回。

・昼の“マイクロ休息”:自分の席で4-7-8呼吸を3〜4回。

・HRVの朝の傾向だけ確認低めが続く日は、昼に5分の散歩+深呼吸を追加。
(数値は診断ではなく“体調の目安”として)


【補足】

Apple Support:Apple Watch の心拍数測定と HRV に関する説明

関連動画

YouTubeチャンネル『産業医 北口真生/働く人のヘルスケアラボ』
【医師解説】1分の「◯◯呼吸法」で自律神経リセット!ストレス・不眠を解消します!


まとめ

自律神経はアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のバランスで体調を守っています。

・HRVは今のゆらぎを見る参考指標同じ端末で同じ時間帯に“推移”で見るのがコツ。

・4-7-8呼吸1分でできる実践的なリセット。寝る前・緊張前・イライラ時にどうぞ。

つらい症状が強い/長引く場合は、まず医療機関での評価を
業務や職場要因が強いときは、産業医へ相談し、業務量や働き方そのものの見直しを進めましょう。

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