産業医

50名未満の企業向けストレスチェックガイド!産業医の活用法と実施のコツ

作成日:2026年7月14日

はじめに

2025年の労働安全衛生法改正により、2028年4月から労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックが義務化されることとなりました。情報収集を始めている方の中には「無料フォーマットで自社で実施するのと有料で外部委託するのはどちらが良いの?」「高ストレス者面接指導はどうしたら良いの?」といったお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、ストレスチェックの実施手順と企業の生産性を高めるための産業医の活用法をわかりやすく解説します。


1. 50名未満の企業も義務化!ストレスチェックの目的とは?

まず、ストレスチェックとは、従業員のメンタルヘルス不調を「未然に防止する」ための制度です。
ひとたび従業員がメンタルヘルス不調で病休になると、その期間は平均で約3か月にも及び復職後に再び病休になる割合も約半数に上ります。特に人手不足に悩む小規模事業場では、これは大きな人材損失と経営リスクにつながります。
法改正を機に、これを「義務だからやる」のではなく「人材定着のための経営課題」として捉えることが重要です。

 

2. 実施方法の選択:無料フォーマットか、外部委託か

ストレスチェックの実施にあたり、企業は「自社で実施する(無料)」か「外部機関に委託する(有料)」かを選択します。
厚生労働省のガイドラインでは、労働者のプライバシー保護の観点から原則として外部機関への委託を推奨しています。


(1) 自社で実施する場合(無料)の落とし穴
厚生労働省が提供するフォーマット等を利用して自社で実施することも可能ですが、以下のような厳格なルールを守る必要があります。

・実施者や実施事務従事者を社内で選定する必要があり、人事権を持つ者(社長等)は従事できません
・担当者には守秘義務が課せられ、結果の漏洩を防ぐ厳重な情報管理体制が求められます
・面接指導対象者に通知を出す際、対象者だと周囲にわからないような細心の配慮が必要です

※実施者は医師または保健師、あるいは看護師、精神保健福祉士、公認心理師、歯科医師で認定されたストレスチェック実施者養成研修の修了した者に限ります。

(2) 外部委託(有料)のメリット
コストはかかりますが、個人情報等の取扱いは外部機関で完結するため、事業場内での情報漏洩リスクが格段に下がります。
労働者も安心してありのままを回答しやすくなり、制度本来の予防効果が高まります。

ストレスチェックの流れ


引用:厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」スタートガイド

 

3. 高ストレス者への「面接指導」は誰に依頼すべきか?

ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された労働者から申出があった場合、企業は遅滞なく「医師による面接指導」を実施しなければなりません(申出後、原則1ヶ月以内)

(1)地域の無料サービス(地産保)の活用
50名未満の事業場であれば、「地域産業保健センター(地産保)」を通じて、無料で医師の面接指導を受けることが可能です。コストを抑えたい場合の有力な選択肢となります。

(2)自社の「産業医」に依頼する圧倒的メリット
無料の地産保は便利ですが、担当する医師は必ずしも貴社の業務内容や職場の人間関係を熟知しているわけではありません。一方、自社で契約している産業医であれば、以下のような対応が可能です。

・職場の実態を把握した上での、より現実的で効果的な「就業上の措置(残業制限や配置転換など)」の提案
・面接指導後、万が一休職に至った場合の継続的なフォローアップや復職支援
・ストレスチェックの「集団分析」結果をもとにした、組織全体の職場環境改善に向けた具体的なアドバイス

 

4. 弊社サービスについて

「ストレスチェックの手配から面接指導、その後の職場環境改善まで、一貫してプロに任せたい」という企業様向けに、弊社ではニーズに合わせた産業医サービスを提供しております。

・Basicプラン:自社の顧問産業医として気軽に会社の健康が相談できる産業医サービスです。(メールで相談可能)。
毎回同じ産業医(顧問)が対応するため、自社の事情を把握した上での助言ができます。

・Spot Careプラン:必要な分だけ依頼ができる産業医サービスです。高ストレス者面談等、手軽に産業医に面談等の依頼をすることができます。
※担当医師は固定ではありません

制度施行時期が近づくと産業医は取り合いになるため、早めに依頼先を決めておくことが制度導入の鍵となります。


まとめ

50名未満の事業場におけるストレスチェックの義務化は、2028年4月にスタートします。無料のツールを活用することも可能ですが、従業員のプライバシー保護や人事担当者の負担を考慮すると、外部委託と産業医の活用が最も安全で効果的です。制度を単なる「義務」で終わらせず、働きやすい職場づくりのための投資として、今のうちから準備を進めていきましょう。
導入に迷われた際は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。

▼【人事向け】産業保健の教科書|50人の壁・健診・ストレスチェック全網羅|産業医のすべて
https://www.youtube.com/watch?v=Jgg3X-ejW28

産業医からのワンポイントアドバイス

「ストレスチェックをやったら、問題のある社員がたくさん出てきて対応しきれないのでは…」と心配される経営者様や人事担当者様によくお会いします。ですが、見えないストレスを放置して突然休職されるほうが、会社にとって何倍も大きなダメージになります。早期にSOSに気づき、産業医という専門家と一緒に対応を考える「前向きな仕組み」だと捉えましょう。

参考文献

・厚生労働省. 「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル

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